ミズホチカラについて
2024/03/02
ミズホチカラについて
米粉業界で一番知られている米粉
ミズホチカラは、農研機構が開発した多収の米粉用品種で、以下の特性を持っています。
出穂期と成熟期:
出穂期は「ヒノヒカリ」より約1週間ほど晩生で、登熟期間が長く、成熟期は極晩生です。
耐倒伏性:
短稈で茎が強く倒れにくいため、台風の多い九州に適しています。
高収量:
穂に非常に多くのもみを付け、通常の食用品種よりも平均で2割も多くのお米が収穫できます。
10aあたり800~900kg以上もの玄米が収穫できた例も多く、安定してたくさんとれる特性が実証されています。
病害への感受性:
いもち病には真性抵抗性を持ちますが、白葉枯病や縞葉枯病には弱いため、これらの病害の常発地には適しません。
除草剤への感受性:
ベンゾビシクロン、テフリルトリオン、メソトリオンを含む除草剤は使用できません。
利用分野:
飼料米として利用できるほか、米粉の加工適性やパンなどの製品品質も優れ、米粉用米に適します。
熊本県では主に米粉用に、福岡県などでは飼料米用に作付けされています。
ミズホチカラは、もともと「飼料用米」として開発され、その後、米粉としての流用で有名になった品種です。アミロース値が24%前後とあり、中高アミロース値を差し、そのためグルテンフリーパンの品質の向上に大きく貢献しました。
ミズホチカラが注目されるようになり、米粉の世界も広がりました。
飼料用米は「多収性」を求めて品種改良されるため、味重視というよりは、反収あたりの収穫量と、倒伏しない品種ということで、コメ農家にとっても有益な品種といえます。
主に九州方面で栽培される品種であり、比較的温暖な地域で栽培が好まれます。
多収性ともあり、味わいが淡白で、お米本来のうまみには少し欠けるように感じますが、加工性がとても高く、注目されている米粉専用品種です。